宮城県議会議員一般選挙ボートマッチ

宮城県の人口は、少子高齢化に伴う「自然減」だけでなく、住民が東京など他地域に転出することによる「社会減」によって減り続けています。生産年齢人口、特に、学校・大学の卒業にともなう20〜24歳、ついで転勤・転職などによる25〜34歳の人口流出が「社会減」の大きな要因となっており、働き手の確保が課題となっています。

また、医療や福祉・保育などの分野を支えるエッセンシャルワーカーや、教員などの人材不足や、離職率の高さも指摘されています。

有機農業には、環境負荷の低減や肥料高騰の影響を受けにくいなどの利点があり、県も推進事業を行っていますが、実際の作付面積は農地全体の1%未満にとどまっています。 多くの農家は従来型の慣行栽培に従事していますが、高齢化により担い手不足や耕作放棄地の増加が問題となっており、生産効率の強化も課題となっています。

個々の漁師や加工業・流通業者は、燃料費高騰や、輸出入、漁獲量の減少などの外的要因にさらされ事業が逼迫しています。 一方で、年々減り続ける漁業量に歯止めをかけ、私たちがこれからも水産物を口にしていくためには、適切な資源管理による水産資源の維持の必要性が訴えられています。ただし、資源管理により水産物の価格が上昇する可能性もあります。

女川町にある女川原発2号機は、震災前の2010年11月から定期点検のため停止していましたが、2019年に原子力規制委員会の新基準に合格しため、東北電力は安全対策工事の終わる2024年5月ごろを目処に再開を予定しています。宮城県と地元の女川町、石巻市はこれに合意しています。 しかし、原発事故やそれに伴う放射能汚染のリスクが付きまとうことから、原発再稼働への反対運動、運転差し止めを求める訴訟も続いています。

再稼働反対の主張としては、万が一事故が起こった際に避難を要する、原発から30キロ圏内の他の自治体からも同意を得ない限り再稼働を容認すべきでない、そもそも避難計画に不備があるという意見などがあります。 一方、火力発電の資源のほとんどを輸入に頼る日本の現状から、原発によって電気代の値下げや電力の安定供給、CO2削減が実現できるという意見もあります。 東北電力はこの工事による再稼働の遅れで200億円の減益となっており、折からの輸入資源の高騰で電気料金の引き上げを行いました。ただし値上げを受けて、2023年度は約2000億円の過去最高益になると予想されています。

川崎町・加美町では、県外事業者による大規模風力発電事業が、丸森町ではメガソーラー事業が、地元住民らの反対により相次いで撤回されました。これらの事業がもらたす景観の破壊や土砂災害が懸念された他、事業者による事前の説明不足なども指摘されています。 一方で、再生可能エネルギーは火力発電や原子力発電に変わるクリーンなエネルギーとして注目されています。特に風力発電は、青森県や秋田県をはじめ東北地方の導入量が全国一となっていますが、宮城県では普及が進んでいません。

宮城県は新たに創設される「再エネ新税」を財源にして、森林の乱開発を抑制しつつ、新たな再生可能エネルギー開発(太陽光、風力、バイオマス)を進め、開発と森林保全の両立を目指すとしています。 しかし、再生可能エネルギーの発電量は地形や気候によっても左右され、定期的なメンテナンスも必要になることから、導入には慎重な検討が必要です。

村井県知事は、仙台赤十字病院（仙台市太白区）と宮城県立がんセンター（名取市）、東北労災病院（仙台市青葉区）と県立精神医療センター（名取市）をそれぞれ統合して2つの拠点病院に再編し、それぞれ名取市と富谷市に移転・新設する方針を打ち出しています。

これに対し、仙台赤十字病院と東北労災病院を抱える仙台市からは、医療へのアクセスが悪くなることが懸念され反対の声が上がっているほか、県立精神医療センターの通院者や入院者、その家族などから、通院が困難になるなど反対の声が上がっています。県の精神医療審議会は、知事の方針に反対の姿勢を示しています。 一方で再編により、人口が増えている富谷市、名取市においては、救急搬送時間の短縮につながるとされています。また仙台赤十字病院や精神医療センターは、建物の老朽化とそれにともなう経営悪化も懸念されており、県全体の人口減少の中で病院の再編は避けられないという見方もあります。 村井知事は再編に際して、新たに代替となる民間医療機関を誘致する方針を打ち出しましたが、具体的な計画は出されていません。

小牛田駅（美里町）と新庄駅（山形県）を結ぶJR陸羽東線は、JR東日本の路線の中で最も採算の悪い区間（鳴子温泉駅⇔最上駅）を抱えている赤字路線です。陸羽東線が通り鳴子温泉駅などを有する大崎市は昨年、関係機関と「陸羽東線再構築検討会議」をつくり、存続に向けた取り組みを始めました。 また、宮城県県南部と福島県福島市を結ぶ第三セクター鉄道の阿武隈急行も長らく赤字が続いていましたが、2022年の地震では一時全線運休となるなど大きな被害を受けました。阿武隈急行をめぐっても、県と沿線の3市町（柴田・角田・丸森）が8月から、経営改善のために話し合いの場を設けています。

宮城県内では、仙台市がはじめて、LGBTなど性的マイノリティなどのカップルを婚姻相当の関係と認める「パートナーシップ制度」を2024年度中に導入する方針を発表しました。全国の政令市の中では、最後の導入となります。 市町村での導入が進む一方、都道府県単位では、現在16都道府県が実施、または導入予定です。 一方、宮城県では2023年10月現在、全ての市町村でパートナーシップ制度が実施されておりません。いません。他にパートナーシップ制度を一自治体も導入していない都道府県は、山形県・福島県・島根県があります。 ただしパートナーシップ制度は婚姻と同等の権利がすべて法的に保障される制度ではないことには留意が必要です。

法律では、現在は同性間で婚姻関係を結ぶことはできません。ただし、パートナーシップ制度が実施されると、同性カップル等のパートナー同士を家族に近い形で認めることができます。 この制度を利用すると、病院の付き添いや生命保険の受け取り、民間サービスでの家族割の適用を受けることなどはできますが、全ての権利が婚姻同等に認められるわけではありません。 一方、伝統的な家族観を重んじる立場からは、導入に反対の声があがっています。

2011年の東日本大震災の影響で、その年の4月に実施予定だった宮城県議選および各市町村の議員選挙や首長選挙が延期され、それぞれが別々の日程で行われるようになったため、いわゆる統一地方選挙の枠組みから外れる日程となっています。 このため、選挙事務の効率が悪くなり、また関心が低くなったことで低投票率につながっているという指摘があります。選挙にかかる経費の削減と投票率の向上を目指し、県議と市町村議の選挙日程を統一すべきだという意見が出され、一部の議会では決議案も出されましたが、実現していません。

選挙日程を再統一するためには、各議会・首長が任期満了前に自主的に解散・辞任する必要があります。 また、蔵王町議選や蔵王町長選、仙台市長選、宮城県知事選など、もともと統一地方選挙の期間外に実施されてきた選挙もあります。